SNN-しんだらなにものこらない-

頭の中を整理するため、文章を書くリハビリとして始めてみました

近所の観音様の話1

いつのまにか、放置していました。全てがこんな感じで嫌になります。

近所の観音様の話です。

家の近所に小さいお堂の観音様とお地蔵様がおられまして、正確には以前住んでいた部屋の近くで、今の部屋からは少しだけ離れておりますが、観音様が祀ってあります。

祀ってあるっていっても、お寺にある訳ではなくて、町の人たちが善意で代々守ってきたような、そういう観音様です。当然、名所でもなく、ホント、駐車場1台分くらいのスペースに裸電球1つがともっているようなところです。

近所に住んでいたとき、私はその観音様の前を通って毎日、仕事に行っていたのですが、夜に帰ってくる際、毎日、熱心に拝んでいるおばさんがいたのです。しかも結構、長いことブツブツ言いながら拝んでいるのです。なんだろう?すごい気になって毎日、そのおばさんを眺めて通っていました。

ある日、観音様の前に誰もいなかったので、ふと、お賽銭をあげてお水をかけてお線香をつけて拝んでみました。何気なく、深い意味もなく。手を合わせていると、あのブツブツおばさんがいるじゃないですか。思わず「この観音様、いい顔していますよね」とおばさんに話しかけてみました。するとおばさんは、

「それは、あなたの心がきれいだからそう見えるんですよ。ぜひ、お水をかけてあげてください」

と言うのでした。そうおばさんに言われた日から、おばさんを見かけることはあってもぶつぶつ何かを唱えていることはなく、代わりに私は毎日、観音様の前を通る度に、朝はお賽銭とお線香をあげて水をかけ、夜は水をかけていました。(つづく)